よくある「困った」
退職届が受理されない場合
【退職届が受理されないトラブル】
退職の意思を示し、更に退職届を提出しても、他に人がおらず、仕事がまわらないという理由で退職届を受理してくれないケースもあります。

【解決策】
〜始めに確認しておくこと〜
会社の就業規則で一ヶ月前に伝えなければならないという規定があるケースも多いですので、念のため確認しておきましょう。また、期間の定めのない正社員の採用で仕事をしていたことも確認しましょう。
〜具体的な解決策〜
自己都合退職は、民法上の労働契約の解除であり、その方法は文書、口頭、いずれも有効で、法律的には、本人により退職の意思が明示されているならばどのような書式でも有効となっています。また、期間の定めのない労働契約の場合は「退職届」を提出する事により労働契約を解除する事を任意退職といい、解除の時期は、原則として民法第627条第1項により14日後に労働契約の解除(解約)となります。
かつては、月給制の場合は民法第627条第2項により「月の前半に申し出れば当月末、後半なら翌月末」に退職が成立するとされていました。しかし2020年4月に施行された改正民法で、第2項・第3項は会社(使用者)からの解約の申し入れにだけ適用されることになりました。そのため現在は、月給制や年俸制であっても、労働者からの退職の申し入れは原則として2週間で効力が生じます。
契約期間の定めのある労働契約(契約社員など)は、原則として契約期間が終わるまで一方的に退職することはできません。ただし、やむを得ない事由がある場合(民法第628条)や、契約期間が1年を超える契約で、その契約の初日から1年が経過した場合(労働基準法附則第137条。一部の専門職などを除く)は退職できます。会社と合意できれば、契約期間の途中でも退職できます。
退職届の法的な効力は?
自己都合退職は、民法上の労働契約の解除であり、その方法は文書、口頭、いずれも有効で、法律的には、本人により退職の意思が明示されているならばどのような書式でも有効となっています。
会社に退職届を提出してもなかなか受理をしてもらえない場合は、出来る限り上司や会社と理解を示してもらえるまで話し合うのがベストですが、それでもどうしても取り合ってくれない、何を言っても平行線で辞めさせてもらえないなどの状態が続くようであれば、退職日の2週間から1ヶ月前までに内容証明郵便(配達証明付き)で郵送し、退職届を提出した証拠を残しておくようにしましょう。
民法では、退職日の2週間前までに口頭または文書で退職の意思を伝えれば有効ですが、会社の就業規則では1ヶ月前という規則がある会社がありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
一度提出した退職届、撤回できるか?
退職願は文字通り「願い出る」という書類ですので、会社はそれに基づき、承認をして、初めて退職が確定する書類に対して、退職届は、本人の意思として退職を決定したので、届け出致します、という届出書類です。つまり、退職届は会社に届いた時点で効力が生じ、退職が確定します。そのため、退職願は会社側が退職を承認する前に撤回する事ができますが、退職届は特別の事情がない限り、撤回するのが難しいものとされています。
パート・アルバイトの場合の退職届、どうするのか?
雇用している会社と働いている労働者の間では、口頭であっても退職の意思表示としては法的な効力があります。ですので、トラブルもなく、双方で信頼感があれば口頭による退職の届出でも特に問題はありません。
ただし、会社から以下のような対応をされた場合には、正式に退職届を作成し、コピーをとった上で、提出する方がよいでしょう。
・会社が退職の申出を聞いてくれない。
・退職日を曖昧にされて、伸ばされる
大切なお客様なのに遠方で挨拶にいく時間がとれない場合、どうするのか?
引き継ぎ業務が多忙を極め、仕事を通じて知り合った人や取引先に対して、なかなかご挨拶回りに行く事が出来ないという場合には、退職を知らせるための挨拶状を作成しても良いでしょう。最近は、メールで退職のご挨拶をしている人が多くなっておりますが、より丁寧にしたいという方は挨拶状を作成するということをおすすめします。
退職勧奨で退職の際、退職届を書くのか?
退職を勧められた場合は、辞める意思がないのであれば退職に応じる義務はないので、退職届・退職願を提出する義務はありません。
解雇の場合でも退職届を書くのか?
解雇通告書を交付された、あるいは、口頭で解雇通知に該当する(それに等しい)ことを言われたのに、退職届や退職願の提出を求められた場合は、そもそも退職届・退職願の提出対象外なので、退職届・退職願を提出する義務はありません。
※ 解雇は、会社(使用者)からの一方的な”雇用契約を解約する”意思表示であり、そもそも労働者の意思は関係しません。
試用期間内で退職届を書くのか?
試用期間中であっても、会社との労働契約はすでに成立しています(試用期間は「解約権留保付きの労働契約」と考えられています)。そのため、辞めるときのルールは通常と同じで、退職の意思を伝えてから原則2週間で退職できます。会社から求められたら退職届を提出しましょう。短い期間での退職であっても、「立つ鳥跡を濁さず」で、引き継ぎや返却物の漏れがないよう円満退職を心がけましょう。
退職届けを強要されたら
もし、会社側から退職届を提出するように、強要された場合、やめたくなければ、拒否してかまいません。会社側としては、自己都合退職にしたいから強要してきているのだと思います。自己都合退職として扱われると、失業保険(雇用保険の基本手当)に給付制限がつきます(2025年4月以降は原則1か月。5年以内に3回以上自己都合で退職している場合は3か月)。給付日数も会社都合の場合より少なくなることがあります。退職勧奨に応じて辞めるのであれば、離職理由は原則として会社都合(退職勧奨)になります。退職届を求められた場合は「一身上の都合により」ではなく「貴社からの退職勧奨に応じ」と書き、勧奨を受けた日時や内容をメモやメールで残しておきましょう。離職理由を最終的に判断するのはハローワークです。離職票に書かれた理由に納得できないときは、ハローワークで異議を申し立てることができます。いずれにしても退職を強要してくる会社によい会社はありません。そのような会社にすがりつくより、自分から転職をして次の会社を探すのが得策です。
契約社員の場合は退職願(退職届)が必要?
契約社員の場合、契約期間満了(任期満了)で退職する場合は、退職願(退職届)は必要ありません。大体、一ヶ月前くらいに会社側より契約期間を延長するかどうかの話し合いをすることとなりますので、その際に伝えるだけで結構です。しかし、契約期間の途中で退職する場合は、上で説明した「契約期間の定めのある労働契約」のルールが適用されます。会社と話し合って合意を得たうえで、退職願(退職届)を提出しましょう。遅くとも一か月前には伝えておくと、トラブルを防ぎやすくなります。書き方は正社員が退職をする際に書く、一般的な退職願(退職届)で結構ですので、早めに準備をしておきましょう。
参考:民法(e-Gov法令検索)/雇用保険制度の改正(厚生労働省)(2026年9月時点の情報です)
それでも解決しないとき
話し合いでも内容証明でも進展がない場合、第三者に間に入ってもらう方法があります。ただし依頼先によって「できること」が法律上まったく違います。民間の業者は退職の意思を伝えるだけで、有給消化や退職日の交渉はできません。
詳しくは退職代行の選び方|民間・労働組合・弁護士の違いにまとめました。
退職が決まったあとの手続きは退職後にやる手続きをご覧ください。
体調を崩して退職を考えているとき
病気や体調不良が理由の場合、退職を決める前に確認しておきたい制度があります。退職してからでは使えなくなるものもあるため、病気・療養で退職するときの退職届もあわせてご覧ください。
出社できないときの退職届の出し方は 退職届を郵送・メールで出すとき をご覧ください。
